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注目の先生
建石修志
Shuji Tateishi
建石先生の作品は、鉛筆、テンペラ・油彩による混合技法を使い分け、独自の世界観で描かれる作品は、見る者を幻想的な世界へと誘い込みます。
「自らが経験したこと、体験したこと。それらすべてが自分のイメージを作りだす基になっています。」
鉛筆へのこだわり
最初の個展「凍結するアリスたちの日々に」は鉛筆画で開きました。
絵具を使って筆で描いていくことが自分の中でなじめないでいました。ところが鉛筆で描いてみると、鉛筆の硬さ、描いている時の抵抗感がぴったりきました。
イメージを早く形にしたいと思った時に、筆よりも鉛筆の硬さや紙との抵抗感が僕にはうまく合っていました。
何よりもその頃は、色彩よりも形の方に興味を持っていたからだと思います。
鉛筆で描いていると、当然モノトーンのイメージが強いのですが、長く描いているとモノトーンの中に独特の色味が見えてきて、もうちょっと深く掘り下げてみたいと思うようになり、鉛筆画にこだわってきました。それでも長い間鉛筆ばかりで描いていると、さすがに飽きてしまいました。そこで出会うのが混合技法です。
混合技法はテンペラ絵具と油絵具を併用して描く技法です。まず最初にテンペラ絵具を使って、形をキチッと描いていくのは光と影を描く違いはありますが、鉛筆画と同じですごく入りやすかったのです。形がキチッとできて、それに対して画面としてどんな色を使っていこうかと考えるのが僕のスタイルです。
描いていて楽しいこと
「自分のイメージしているものを形にしていく」そのことが一番楽しいことです。
絵は紙や、板に描いていくのですが、描いていくにしたがって、一番最初に、キッカケとして自分が思い描いていたイメージが、紙の上に形になって見えはじめると、画面の中でイメージがどんどん膨らんでいきます。それを具体的な形にしていくのは楽しいことです。
また思うように行かなくても、どういう風に工夫すれば、自分が満足できる形になるのか考える。とにかく工夫にしても、苦労にしても、それ自体が後で楽しく思えることだろうなと思っています。

仕事とやりがい
本の装幀や小説の挿画で、言葉として書かれたものを絵にしていく時に、ただ説明する絵を描くのではなくて、読んだ印象をどうにかして絵に置き換える。小説全体でどういうことを表そうとしているのかを読み取って、絵にしていく。どう読み取るかも画家のオリジナリティだと思うし、僕に依頼が来るということは、編集者サイドである程度予想を立てている。この人に頼むと、このような読み取りをして、このようなイメージを出してくれるだろうと予測をして依頼してきます。だからその予測に的確に答えなければいけないし、できれば編集者が考えているよりもプラスアルファ、より面白い、より美しい、よりインパクトがある。自己満足だけでなく第三者の共感を得られることで、より大きなやりがいに.がっていきます。