注目の先生

新村竜也

Tatsuya Niimura

イタリアン・ルネッサンスに興隆を極めたベネティアングラスの、精緻なレースガラスを駆使し、自己を表現する新村先生。

上達のコツは、「上手な人の仕事を見て、聞いてそして作ってみる。」これを繰り返し行うこと。

グラフィックデザインからガラスの世界へ

大学を卒業して、グラフィックデザイン事務所に入り、主に雑誌のデザインなどを担当していました。仕事は面白く、僕のデザインしたものがすごいスピードで世の中に広がっていくのはやりがいがありましたが、消費される現状を疑問に思っていました。

もっと後々まで作品が残る仕事がしたいと思っていたところ、ステンドグラスを制作している会社に入社することができました。

ここではデザインやプランニングを担当していましたが、ガラスを知れば知るほど、ガラスに魅力を感じるようになり、もっと詳しく知りたいと思うようになりました。

どこか良い学校はないかと探していたところ、富山ガラス造形研究所というところがあることを知りました。教授の考え方に感銘を受けていたこともあり受験することに、競争率が高く心配だったのですが、合格し、レベルの高い学校で学ぶことができました。

二十六歳で入学しましたから、スタートが遅かったので、早く技術を身に付けようと努力しました。誰よりも早く学校に行き、授業が終わってからも、先生が作るのを見学したり、空いている時間はビデオで制作方法を研究したりしました。

レベルの高い先生が世界中から集まっていましたから、努力をすれば高い技術が身につけられる環境でした。先生が作るのを見て、分からないことがあれば質問して、納得いくまで作ってみました。

ガラスは動きのある素材です。いつも同じ形には留まってくれません。難しいし、一筋縄ではいかない素材です。しかし、難しいゆえに壁を乗り越える喜びを味わえるのが、ガラスが好きな理由でもあります。また色を使えること。すぐに結果が出ることなど、僕の性に合っている素材です。

bowl & schale

shout

murini vase

race pitcher & glass

pot

michishirube

bottle

レースガラス

私が制作している吹きガラスは、約二千年の歴史があります。ほとんどの技法は出尽くしていますし、やり尽くされていますから、オリジナリティを出すのは大変難しいことです。

僕のこだわりは、オリジナリティに加えて高い技術を駆使して優れたものを作り出そうと心がけています。そうしてであったのが、ベネティアのレースガラスです。技術的にはイタリアの技法を踏襲していますが、デザインや色の構成にはこだわって自分らしさを出そうと努力しています。

学生の頃「日本のガラスは数十年遅れている」とアメリカの先生からいわれました。今はこの遅れを僕の力で少しでも詰めたいと思っていますし、また多くの方々にガラスを知ってもらいたいです。